ブログを休止している間、MMTだとかベーシックインカム(BI)だとかに関する文献を少し齧ってみた。
その結果、MMTの理論にもBIにも納得することが多く、今ではすっかり積極財政を支持するようになり、それが政策として積極財政を前面に掲げているれいわ新選組を私が支持する最大の理由でもある。
以前は新自由主義的な小さな政府や財政均衡論に毒されていたのだが、その誤りに気付き覚醒できたのは我ながら良いことだったと思う。
そこで当ブログでもMMTやBIに関する文献やサイト、動画などは積極的に紹介していこうと考えているわけだが、今回はBIについて解説した分かり易くユニークな文献と動画があったので紹介したい。
この本はBI論者で正義のヒーロー(?)のばらまきマンが、BI反対論者であるデフレ博士や労働宣教師のBI批判に反論しながら、底辺派遣社員のみうにBIの良さを説くというスタイルになっている。
ところどころに4コマ漫画も挟まれ、かなり笑えるような展開もあるので、読んでいて楽しいのだが、それでいてBIについてもしっかりと理解できるような本になっている。
またこの本の主人公であるばらまきマンによるBI解説動画(著者の駒田朗氏のyoutubeチャンネル)もあり、こちらでもBIのことが分かり易く解説されている。
さてその動画を見ていると、「良いBIと悪いBI」という動画があった。
動画を見ればわかるが、「良いBI」というのはAI等科学技術の発展による効率化と生産性の上昇により多くの人が仕事を奪われる中で、仕事のない人でも十分豊かな暮らしが保障されるだけの十分な額のBIを保障しようというもの。
これに対し「悪いBI」というのは、そういう仕事のない人間も含め全ての国民に豊かな暮らしを保障しない、それどころかぎりぎりの暮らししか保障しないことになりかねないBIのことだ。
動画の区分を借りるとこの「悪いBI」には「格差拡大型」、「緊縮財政型」、「清貧型」がある。
「格差拡大型」は「働かないのに多くのお金を支給するのはおかしい」「金額が大きいと働かなくなる」という考えから、最低生活水準だけをBIで保障すべきという立場だ。
しかしこの立場だと、AI等で生産性が向上し今より豊かな社会になるにも関わらず国民の大分部分はBIの保障だけという貧しいままの境遇に置かれ、圧倒的富は一部の富裕層にだけ独占されるため、今以上の格差社会になってしまう。
また「緊縮財政型」は年金や失業保険、生活保護などの社会保障をBIに一本化することで、運用効率を向上させてコスト削減を図ろうする立場。
これは新自由主義者などの小さな政府論者が支持する立場で、これだと障碍者やシングルマザーなどの社会的弱者は勿論、医療費の削減やセーフティネットの不安定化で大多数の国民もさらに不安定な生活を強いられることになる。
なるほどこれだとケケ中氏もBIを支持するはずだな。
ベーシックインカム入門:竹中平蔵 ベーシックインカムは究極のセーフティーネット、今が一気に導入する好機 | 週刊エコノミスト Online https://t.co/ZL8g6wrDzF
— サリー(突発) (@aki_ai777) July 20, 2020
だけど彼らの目論見には要注意だ。
それから3つ目の「清貧型」は日本は少子高齢化で衰退する運命にあるから、みんなで平等に貧しくなろうという立場。
しかし実際には動画にも出てくるように効率化で生産性が高まると生産量が高まるから「平等」なら貧しくはならないはずだし、加えてこの論は緊縮論や消費増税(財務省)とも結びつきやすい。
そういえばリベラル派でもTwitterでこんなことを言う人がいたな。
「金を配って、皆を幸せにする」って発想は、結局、自民党政治と何が違うの?
金さえあれば幸せなのではなく、金があっても、金をいくら持っていても、健康や生命には変えられない。人と人の繋がりには変えられない。それを我々は知ったのではないか。
「金を配って幸せに!」の発想が、もはや違う。
— 鎌田桂輔(かまだ・けいすけ) (@KeisukeKamada) June 23, 2020
自民党政治の場合は国民全体の暮らしことは考えない単なる買収なんだけどね(笑)。
それはともかくこんな発想の人が野党なら、仮に権力の座についても簡単に財務省のいいなりになりそう・・・。
というわけで、結論としては「悪いBI」を排除して「良いBI」論を広めていかないといけないなと思う次第なわけです。