新型コロナウイルス

コロナ対策の突破口になるか?世田谷モデルに期待!

新型コロナウイルスの感染防止策として世田谷区がPCR検査体制を拡充する「世田谷モデル」を推進するという。

これまで国や自治体の多くがPCR検査の拡大に消極的だっただけに、この動きは歓迎したい。

保坂展人区長によると、東京大学先端科学技術研究センターの児玉龍彦名誉教授の提案に基づいて、PCR検査実施数を一日当たり200~300人からその一挙10倍を目指すという。

また介護、保育、医療従事者などのエッセンシャルワーカーへの重点的な検査、大量検査が可能な機器の導入、ニューヨーク州のような「いつでも、誰でも」検査できる体制づくりという三段階の枠組みを考えているそうだ。

――検査数を一気に10倍に引き上げるといえば、1日当たり2000~3000ということになります。可能なのでしょうか。

 三段階の枠組みを考えています。第一段階は、実際に感染症状のある方に加え、疑わしい方、その周辺にいた方を対象に検査し、現在の300から600に増やします。そして、第二段階は韓国や欧州などで普及している自動で大量にPCR検査ができる機器を導入して検査数を一気に増やすことを考えています。1つの試験管に5人分の検体を入れて検査する「プール方式」では、500サンプルの大量検査で2500人分の検査が可能となり、陽性反応があれば、その試験管をピックアップして再検査し、陽性者を特定する。中国・武漢や韓国、米国でも取り入れている手法です。そして第三段階は、ニューヨーク州が取り組んでいるような「いつでも、誰でも」検査できる体制づくりです。第三段階までに進むには、それなりの制度設計と財源が必要になりますが、PCR検査の拡大によって感染者の封じ込めに一定の成果がみられる同州の状況を考えると、最終的にはここを目指したいと考えています。

→https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/276890/3

日本政府にしろ東京都にしろ、オリンピックや経済ばかりを優先しているようだが、実際のところコロナ対策が不十分であるがゆえに、オリンピックにも経済へも悪影響を与えてしまっているようにしか思えない。

本来であれば徹底的に検査、追跡調査、隔離をセットで実施し、一日の感染者数を可能な限り減らしていくことで、人々は安心して外に出るようになって経済も回るようになるし、外国からの評価も上昇するはずだ。

しかしながら日本政府や東京都がやっていることはそうした施策に徹底して取り組んだ諸外国の成功事例と比べるとほとんど何もしていないに等しい有様だ。

そこのところを放置したままいくら三密の連呼で自衛を呼び掛けたり、補償なしの活動自粛や夜の街への責任を押し付けたところで問題が解決しないことは、緊急事態宣言解除後に急激に感染者数が増加してきた今の状況からも明らかだし、それどころか当初から常識的に考えて分かりきっていたことだ。

日本では当初クラスターに絞った検査ばかりが言われていて、発熱が疑われる人でも中国への渡航歴や渡航者との濃厚接触、37.5度で4日間の自宅待機等の厳しい条件に加え、保健所という狭い窓口が許可しない限り医者の必要という判断があってもPCR検査は行われなかった。

また一部御用専門家もPCR検査の擬陽性や偽陰性ばかり指摘し、ネット上では「検査したら医療崩壊」ということばかり声高に言われ、日本政府のPCR検査への消極性に積極的に加担する言論空間が形成されていた。

しかし新コロナ封じ込めの成功例である韓国や中国武漢、ニュージーランド、タイ、ニューヨーク州などは、徹底してPCR検査を行っているところばかりであり、そういう事実を日本政府もPCRスンナ派も敢えて無視し続けているとしか思えない状況だ。

翻ってこの世田谷モデルである。

仮に「「いつでも、誰でも」検査できる体制」ができて新型コロナの封じ込めの成功モデルと認知されれば、これまで和歌山や島根などの積極的に検査を行っていた自治体以上のインパクトになって日本政府や東京都も無視できなくなるのではないか。

勿論批判派が言うように検査するだけでは駄目で、病床をしっかり確保して隔離すること、追跡調査をやることも合わせてやる必要はあるだろう。

しかし政府がアベノマスクやGoToキャンペーンなどの愚策ばかりで野党の臨時国会開催要求にすら応じない状況下で、この世田谷モデルが推進される意義は大きいと思う。

今の政権与党では新型コロナウイルスに対処できないことは明らかだ。

できれば世田谷区に続き、他の自治体でもPCR検査の拡大を含めた積極的なコロナ封じ込め策が行われるようになることを願うばかりだ。

 

 

 

 

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