政党 原発

連合ありの「理念」の新党では自公に勝てない

政局が動きつつある。

健康不安説が流れていた安倍首相の辞任のニュースが流れ、9月にも総辞職、解散総選挙があるのではないかという話だ。

そうなってくると最大野党である立憲民主党と国民民主党の合併、新党設立の動きにも俄然注目したくなるわけだが、そんな中、先日この二党に支持基盤の連合を加えた三者による「理念」(-命とくらしを守る「新しい標準(ニューノーマル)」を創る)が発表された。

PDF3頁程度ですぐに読めるものだったので目を通してみたのだが、「命とくらしを守る生活保障(セーフティネット)を張り直す」「低所得層・中間層を底上げ」「税や社会保障の再分配機能の強化」「過度な自己責任論、競争万能主義、株主至上主義から脱却」「国から地方自治体への権限・財源の移譲」「主権者教育の取り組みを抜本的に強化」といった言葉には賛成できる点もあるものの、全体としては物足りない印象だ。

→立憲民主党公式HP https://cdp-japan.jp/

特に不満なのは「積極財政」と「脱原発」という視点が完全に抜け落ちているところ。

「将来に責任を持てる財政の確立によって、持続可能な社会をめざす」という部分からはこれからもプライマリーバランスを重視して緊縮でいきまっせと言ってるようにしか読めないし、「低廉で安定かつ低炭素なエネルギーシステムを確立」という部分は今後も原発推進でいきまっせと言ってるかのよう。

連合はこれまで消費税減税には反対、脱原発にも反対の立ち場だったので、今回の「理念」にもそいう視点がないのは予想できたことだが、新党結成しても正直これでは目新しさがないし骨抜きになったという印象だ。

これでは自公側に「減税」や(将来的)「脱原発依存」を唱えられようものなら、また次の選挙で惨敗となるのは目に見えている。

「緊縮」に関しては内部から変わってもらうしかないかもしれない。

政府の借金=国民の資産なのだから、プライマリーバランスの維持など無視してインフレにならない程度にむしろ政府の借金を増やしていくべきだし、むしろ国債発行と通貨発行権を行使してもっとお金をばら撒くべきなのだ。

ここは連合と政党の幹部に『奇跡の経済教室』でも読んでもらって知識をアップデートしてもらうしかない。

ただ「脱原発」に関しては連合がその傘下に電力総連を抱えている限り無理ではないか。

一応電力総連も立憲民主党と国民民主党の新党合流を「了承した」という報道もあるが、「原発ゼロ」が盛り込まれた新党の綱領案に反発しているようだし、連合側もそれに配慮してか先日の立憲の枝野党首との会談では新党の綱領案の「原発ゼロ」という言葉を使わないよう枝野氏に要請している。

連合の神津里季生会長は27日、立憲民主党の枝野幸男代表と東京都内の連合本部で会談し、国民民主党などとの合流新党結成を支援する考えを伝えた。一方で、新党の綱領案に「原発ゼロ」が盛り込まれたことに強い懸念を表明。神津氏は「枝野氏のような責任ある立場の方は、『原発ゼロ』という言葉を使わないで」と求めた。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020082701078&g=pol

国民民主の中の原発推進議員を新党に取り込みたいという思惑も連合側にあるようだが、消費税に加え原発維持に拘る限りは「命とくらしを守る「新しい標準(ニューノーマル)」」は無理だろう。

原発は一度過酷事故が起きたら広範囲で人が住めなくなるし、核廃棄物の処分にも見通しが立っていない。

そもそも現在稼働している原発自体が少ないわけで、エネルギー源として原発は必要なくなってきている。

だとしたら原発に拘る理由はないわけで、その点を新党側は連合側にきちんと説明していくべきだろうが、連合(電力総連)側はどこまでも原発に拘りそうだから、たぶん説得はできないだろう。

だとしたら連合を支持基盤から切って改めて新党として「脱原発」を主張するべきだが、そうしたら連合は自民を支持するだろう。

そういうわけで連合と緊縮で雁字搦めに縛られた新党、残念ながら期待が持てない。

やはり積極財政と消費減税なら山本太郎氏や玉木雄一郎氏らの動きに期待したいが、ポスト安倍と衆院選後に向けて果たしてどう動いていくのだろうか。

 

 

 

 

 

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