菅首相が自民党の総裁選に出馬しないことを表明した。
それを受けてメディアは次の総裁選には○〇が出る、とか緊急アンケートでは一番人気は○○とか、誰誰が○○支持に回るようだ、とかそんなニュースばかりを報道している。
たまにはテレビも野党と与党との政策比較でもやってくれたら、野党は批判ばかりってことが嘘だと国民にも伝わると思うのだが。
この総裁選で投票できるのは、国会議員と党員・党友だけの766人だけで、一般国民には投票権はないわけだし、そもそも安倍菅政権で国民置き去りで大企業やグローバル資本、お友達の利権だけにお金と権力を使ってきた政党のトップを変えたところで何も変わらないだろう。
何、高市早苗が積極財政をやるって?
いやだから自民党が国民のために金を使うわけないことは安倍菅政権の8年間をみてきたらわかるだろうし、自民党が国民の為の政治を少しでもやるなどという淡い期待は捨て去るべきだろう。
自民党の積極財政は大企業とグローバル資本、投資家、お友達のためのそれ。いつも国民のためにどうやったら金を使わなくて済むかばかり悪知恵を働かせている。 https://t.co/ObZTKcfBZm
— コンパイル (@newscolle2017) September 7, 2021
しかし耳障りの良い政策だけど胡散臭さを感じるのは、自民の“積極財政”だけではない。
その典型が日本維新の会が掲げる“ベーシックインカム”(BI)。
維新の会公式サイト(PDF)より引用 https://o-ishin.jp/policy/
これ、明らかに悪いベーシックインカムでしょ。
維新の会の片山共同代表もこの資料と同じく「まず国民に1人6万円のベーシックインカムを保障する。それに伴い、生活保護や児童手当、基礎年金等を廃止する。」(引用 https://www.tokyo-np.co.jp/article/127670)と言っているが、一人当たり月額6万円だけ支給して、基礎年金、生活保護、児童手当廃止して所得控除も撤廃って、低所得者は果たして暮らしていけるのか?
確かにBIだと控除と違って即効性があるし、支給金額を増やせば扶養照会など問題点も多い生活保護の代用にはなるかもしれないし、更には若者の数の減少による賦課方式の基礎年金の財源不足の問題も解消できるかもしれない。
だけどそういう制度もそのまま残せるのなら残しておいて併用した方が国民は安心できるし、多くの国民にとってBIと併用すれば月6万円でぎりぎりの生活をするよりもより余裕を持った暮らしが実現するはずだ。
しかし維新にはそれは無理。
なぜなら維新は政策に財政健全化、つまり緊縮を掲げているから。
官民ファンド、基金、特別会計等を整理し硬直化した予算配分を見直す等、歳入と歳出の抜本的な見直しにより財政の健全化を図る。
引用:日本維新の会公式サイト「政策」より https://o-ishin.jp/policy/act04/
維新は100兆円の財源を掲げているが、財政健全化を掲げて緊縮に拘る限りはベーシックインカムを実現するために他の社会保障政策にかかるコストを削減したり税額控除を改めないと財源が捻出できないという発想になるし、実際そういう悪いBIの典型にしかなっていない。
そこはれいわ新選組のBI、積極財政との根本的な違いだ。
れいわ新選組山本太郎代表は、維新とのBIとの違いにふれながら、財源は国債発行をメインとし、景気が良いときは税を財源として金額も減らすと述べている。
下記動画はれいわと維新のBIの違いが明確に説明されいるし、分かり易い(質問もグッド)。
れいわ新選組は勿論既存の社会保障には手を付けず、上乗せする形でBIを支給するというやり方だ。
ちなみにれいわ新選組は「コロナ緊急提言」として、消費税ゼロ%などとともに、現在一人あたり20万円の現金給付を掲げている。https://reiwa-shinsengumi.com/reiwanews/4670/
これも財源は国債で調達するやり方で、将来国債を発行したからといって増税になることもないし(景気が良くなった時を覗いて)、もしれいわのBIが実現したら社会保障と併せて手厚いセーフティネットになるし、景気対策にもなって、コロナの自粛要請も格段に通り易くなるだろう。
そんなわけで衆院選では維新の「悪いベーシックインカム」には騙されないようにしないといけない。
それは生活を楽にしないし、一度壊した社会保障制度はもとに戻すのは難しいだろうし、財政健全化を口実として将来増税につながる可能性も否定できない危険なものだ。
ベーシックインカムを導入するなら既存の社会保障や生活保護、税額控除には手を付けないまま、国債発行を財源メインで行うれいわ新選組の「良いベーシックインカム」でなければならない。