政策

消費税廃止論とMMT

山本太郎のれいわ新撰組は公式サイトで政策の中に消費税の廃止を掲げている。

消費税は廃止

物価の強制的な引上げ、消費税をゼロに。
初年度、物価が5%以上下がり、実質賃金は上昇、景気回復へ。
参議院調査情報担当室の試算では、消費税ゼロにした6年後には、
1人あたり賃金が44万円アップします。

 

引用:れいわ新撰組公式サイトより

一部の富裕層は別として、普通の庶民感情からすればこれは大歓迎だろう。

なにしろここ数年で物の値段が上がっているのに、賃金はちっとも上がらない状況なのだから。

だから山本太郎氏は庶民の味方だ、弱者に寄り添う本物の政治家で安倍政権とは違う・・。

最初私は単純にそう考えていた。

しかし、この消費税廃止論、実は昨今話題のMMT(現代貨幣理論)にその論拠を持つらしい。

山本太郎氏の経済政策ブレーンとされる池戸万作氏によると、消費税は廃止できるし、廃止すべきものだという。

以下参考(引用も):「消費税10%なんてとんでもない MMT(現代貨幣理論)から消費税は不要な税金である

 

そもそも平成元年の消費税導入後、平成9年(1997年)と平成26年(2014年)に消費税を値上げしてどうなったのか。

まず1996年度(消費税3%)と増税後の1998年度(同5%)を比較すると、確かに消費税による税収は4兆円ほど増えたが、景気が悪化し、消費は冷え込んで、なんと全体での税収は2.7兆円も減少した。

また記憶に新しい2014年の5%から8%への増税後は、8兆円も個人消費が落ち込んで、増税前の2013年の水準にまで回復しないまま推移している状況だ。

つまり、消費税の増税によって、景気は悪化し、税収が落ち込む、個人消費も冷え込むなど、日本経済にとってマイナスの効果しかなく、

結局のところ、20年間にも及ぶデフレの原因とは、税金の取り過ぎにあったのである。

ということになる。

しかし、じゃあ消費税が害悪であることはわかったけれども、本当に消費税は廃止しても大丈夫だろうか。

つい先日、立憲民主党の原口一博氏がこんなことを呟いていた。

まあ連合が立憲民主党に実際どういう要求をしているかは知りませんが、少なくとも原口議員含め立憲民主の一部には「国債マーケットへの懸念」があるから、消費税は下げられないのだそうだ。

しかし消費税を下げたら(廃止したら)本当に国債が暴落するリスクはあるのだろうか?

先ほどの池戸氏の論考によると、赤字国債の残高がいくらになろうと、「自国通貨建て国債であれば、インフレ率が高まらない限りは、どこまでも拡大可能」だそうなのだ。

そう、MMT論者からすると、そもそも税金は国の財源として必要なのではなく、財政支出による需要の拡大によるインフレを抑制するためにのみ必要なものなのだ。

そして赤字国債発行も一定のインフレ率の枠内であれば、いくらでも可能だと主張する。

実際日本政府は明治以来、国債の債務残高を膨らませ続け、この130年間でなんと500万倍にもなっているという。

MMT論者に言わせれば、こんなに債務は増加し続けているのに、金利は低いままで国債は暴落しないし、インフレの兆候が出たら財政出動を止めればいいだけなのでハイパーインフレなんかくるわけがない、ということになるらしい。

そう言えば、れいわ新撰組の政策リストの中にも、こんな記述があった。

日本総貧困化を防ぐためには、まとまった財源が必要です。
財源は税収、が一般的ですが、私は、
デフレ期には別の財源も活用します。

新規国債の発行です。確実に足りない分野と人々に大胆に、
財政出動を行い、生活を支え積極的に経済をまわします。
経済成長すれば当然、税収は増えます。

国債発行は無限ではありません、リミットがあります。
インフレ目標2%に到達するまで、です。
到達後、金融引き締めで増税まで必要な場合には、
税の基本(応能負担)に還ります。
法人税にも累進性を導入します。

あくまでインフレ目標内で赤字国債は発行し、それを財源にして財政支出をするという、まさにMMTの主張に沿うものだ。

気になるのは政府が国債を発行するということは、いずれそれは国民への税金となって跳ね返ってこないかというところだ。

それに対してMMTはこう答える。

そもそも誰かの借金は誰かの資産だ。

実際政府が借金することで、国民の資産が増える。

そして国債を引き受けるのは日銀だ。だから、「政府が日本銀行に払った国債の利払い費や償還金は、国庫納付金として政府に戻ってくる」(池戸氏)、あるいは日銀が引き受けた国債は、新規に発行される国債と交換する形にすれば償還も問題ない、地球破滅の日まで保有し続ければよい(三橋氏)。

経済評論家の三橋貴明氏の山本太郎氏との対談動画(下)を見ると、なぜ日銀による国債引き受けが国民の資産となるのか、何故国債の残高が増え続けても問題ないのかが、分かり易く解説されている。

 

まあそんなわけで、政府は好きなだけお金を調達できる、借金が膨らんでもOK(ただしインフレ目標まで)というMMTの手法は、突然現代世界に現れた巨大な打ち出の小槌のようなものである。

MMT論者は、日本でもここで紹介した池戸氏や三橋氏のほか、立命館大学の松尾匡教授、評論家の中野剛志氏、宮崎哲也氏など、かなり勢いを増してきている。

本家アメリカでは、MMTの主要な提唱者の一人で2020年の大統領選へ民主党からの出馬を表明しているバーニー・サンダース上院議員の政策顧問に就くことになっているステファニー・ケルトン米ニューヨーク州立大教授が、MMTに批判的なノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授と論争になっているらしい。

日本では財務省がMMTに対して異例の反論を行っている。

米国で注目されるMMT(現代金融理論)など財政規律の軽視につながる議論をめぐり、財務省が反対するデータを集めた資料を財政制度等審議会の分科会に出した。資料は反論データに異例の分量を割いている。来年度予算へ向けた議論をスタートするにあたって、国の借金が膨らむことへの楽観論に反論し、財政健全化への理解を広げたい考えだ。

17日に提出された資料には、国の歳出や歳入、債務残高といった基礎データのほか、財政再建を不要と見なす議論を牽制(けんせい)するデータを載せた。2年前の年度初めの資料の5倍近い62ページを費やした。

引用:https://www.asahi.com/articles/ASM4K5711M4KULFA022.html

財務相は財政健全化を掲げており、消費税増税もそのために必要(本当は天下り先の大企業の法人税を下げるため?)だという立場だから、MMTとは当然対立することになる。

しかしこのMMT、非常に面白いし魅力的な理論であることは確かだ。

この理論は実は日本がそのモデル(つまり国債残高を積み上げ続けても金利が低いままで破綻しない・・・)とのことだが、願わくば消費税廃止の説得力ある論拠にもなって欲しい。

そしてそれを立憲民主党などの野党にも受け入れられれば自民党の経済政策に対抗できる野党の強力な共通政策となりうるのだが・・・。

でもこんな魔法みたいな手法に副作用はないのか。

これから勉強を進めてみたいが、なんかどっかに落とし穴があるような気もするのだが、杞憂だろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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