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野党は対案を示して無策の政府に内閣不信任決議案を提出した!

菅政権が国会会期の延長を拒否したことを受けて、野党4党は内閣不信任決議案を提出した。

当初二階幹事長や菅首相は不信任案が提出されたら解散もあり得るかのような発言をしていたが、結局与党と維新はこの不信任案を否決した。

代わりに自民党は自衛隊や米軍基地、原発など安全保障上の「重要施設」1キロ内の土地や建物の利用実態調査や利用制限、不動産売買の事前届け出などが可能となる「土地規制法案」(「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案」)を提出した。

外国資本による1キロ内の土地買収といった立法事実もないようだし、多数の人達への過剰な私権制限の危険性も指摘されるこんな法案が、十分な審議もされずに簡単に通ってしまう今の日本の政治状況は、ほんとにおかしい(参考記事 litera論座)。

それはともかく、立憲民主党の枝野代表はこの内閣不信任決議案についての「趣旨弁明」の中で、検査を拡充しないなどの「感染対策の失敗」、給付金事業者支援の医療従事者支援の不十分さ、「オリンピック・パラリンピック開催による命と暮らしの危機に向き合おうとしない姿勢」等を中心に、これまでの菅政権の感染症対策に係る政策の問題点を指摘し、さらにはLGBTや入管問題等での消極姿勢、汚染水処理を含む原発政策、今回の「土地規正法案」を含む外交防衛政策の問題点、繰り返される与党の不祥事等々を網羅的に並べた上で、そうした政府の不十分な対応に対してこれまで政府に提案してきたが無視されたままで未だ実現されていない政策についてもしっかりと触れている。

参考:【全文】「菅内閣不信任決議案」趣旨弁明 枝野幸男代表

この中では触れられていなかったのだが、先日紹介した立憲民主党による「新型インフルエンザ等治療用特定医薬品の指定及び使用に関する特別措置法」についても、残念ながら国会が閉会することで審議もされないまま流れてしまうのだろう。

与党+維新は「自宅放置死」という政権と厚労省による未必の故意によるこの犯罪的な状況をこのままにして、さらにオリンピック開催でデルタ株(インド型変異株)を始めとする変異株を世界中に拡散することで、「平和の祭典」を「利権とコロナ蔓延の祭典」にしてしまうつもりらしい。

追加のコロナ封じ込め策は必要だし、事業者や医療従事者、国民全体への追加の十分な支援も必要、イベルメクチンなど治療薬が入手し易くなって自宅放置死や重症化が減少するような状況も必要不可欠だというのに、国会を延長せず審議すらしないというのはもはや国民の利益に対する背信だろう。

したがって今回の野党による不信任案の提出は当然のことだと思うのだが、私が頭にくるのは相も変わらないネットやSNS上での「野党は批判ばかり」「政策を提示しろ」などという、無知に基づく批判投稿が多いこと。

例えばたまたま見つけやこのヤフコメの書き込み。

もういい加減に政策で勝負してください! あなた方は足の引きずり合いをしている間も時給換算の収入がありますが、しかし国民はそうはいかないんです。 国や国民の生命と財産を守る為に職責を全うする姿勢すら見えない。 こうしている間にも国民は擦り減っているし、国は世界から遅れもとる。 古き良き日本の産物にいつ迄もしがみ付いて、型古を磨き上げることが仕事ではないんですよ!

いや、政策提案してるって!

「野党は批判ばかり」って言いたいんだろうけど、まず与党の政策を批判するということは現状の方を優先するという意味での「対案」を支持していることにもなるわけで、ろくに審議もせず強引に自分たちのやりたい政策や法案ばかりを強硬に推し進めている与党に対してのそうした批判はすごく真っ当なものだ。

しかしそのことは置くとしても、上記の枝野氏の「提案の趣旨」にもあるように立憲民主党を含めた野党は、コロナ対策だけでも複数の具体的な対策案、補償案についてこの1年半の間に数多く提案してきているし、議員立法も出している。

例えば昨年の早い段階で検査拡充法案を国会に提出したり、10万円給付金、損失減収の補填などを政府に提案している。

https://twitter.com/misakt1/status/1335385201422127105?s=20

批判ばかりの印象というのは、全くもって無知な言いがかりにすぎず、少なくとも政党の公式サイトや国会中継をきちんと見ていたらそういう的外れな野党批判にはなりえないはずだ。

にもかかわらずこういう書き込みが後を絶たないのは、一つは確かに野党側のメディア戦略やSNS戦略が有効になっていないというのもあるかもしれない。

しかしそれだけでなく、それ以上にメディア(特にテレビ)が野党の政策について普段から報道しようとしないからという面もあり、この点は今のままではどうしようもないだろう。

特に昨今は政治や経済ニュースと言えば与党の政策を無批判に垂れ流している状態で、野党の対案との比較や分析という視点で報道しているのをほとんど観たことがない。

コロナに関して言うと、立憲だけでなく共産やれいわ新選組、国民民主もPCR検査の拡充を一貫して訴えているし、補償や給付についても、少なくとも今の与党より手厚い支援策を訴え続けている。

だから野党に対して「対案出せ」とか「批判ばかり」などと言っている連中というのは、全く野党の政策を見ていないか、わざと知らないふりをしているだけだ。

百歩譲って与党や維新側がそういう姑息な物言いをするのは仕方ないにしても、それにメディアが加担して野党の政策を国民に伝えず、こういう野党批判の書き込みが後を絶たないというのは、単に野党にとってマイナスというだけでなく、国民主権を有し民主主義の主体として自分たちの生活に影響を与える政治や社会の状況を判断し、選挙で投票しないといけない全ての国民にとってマイナスだ。

こういう状況を見直すためにも、野党にお願いしたいのは、まともな民主主義が成り立つメディア環境を整備するための方策を考えて欲しいということだ。

今のネトウヨや政府の声ばかりが大きいこの状況を変えるには、野党側のメディア・SNS戦略に加え、こういうメディアの偏向報道に対して国民が声を上げることも必要だが、私は電通の言いなりになっている今の大手メディアがそう簡単に国民の要求を受け入れるとは思えないし、それだけでは駄目だと思う。

やはり民主主義が機能するようなメディア環境の整備が不可欠だと思う。

テレビでも新聞でも、選挙前だけでなく常日頃から与党の政策と野党の政策が同時に報道され、比較して論じられるような状況が必要なのだ。

思うに、民主主義とはネトウヨがよく言う単なる多数決だけではない。

そしてリベラルが主張する民主主義には議論が必要というのは確かにその通りなのだが、多数決にも議論にもその前提として必要なのが質の高い情報の共有だ。

今の日本はこの「質の高い情報の共有」ということができていないことが、まともな民主主義が機能せず、民主主義を全体主義に向かわせている最大の原因なのではないかと思う。

じゃあ国民全体に「質の高い情報の共有」がなされるために、どのようなことをやるべきなのか。

今回は長くなったので、この点については追々別の記事で書いていこうと思う。

 

 

 

 

 

 

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